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工法のQ&A
Q.43 多段積み護岸の構造の並列式において,根固部のかごマットは,なぜ,多段積み本体と「連結してはいけない」のですか。
根固工は,本体と連結しないこととされています。
【解説】
多段積み構造における並列式とは,多段積みの本体の前面が洗堀された場合に,洗掘による地盤の変形に対して,根固工部のみが円滑に順応して大きく変形することによって,本体を保護する構造なのです。
根固工部は,「建設省の設計基準」によっても,「Ln」という安定部を残すこととしていますが,「Ln」部がなくなるような洗掘が起きた場合には,根固部が滑ることになり,根固工と本体を連結して置くと「P」という引張力が本体に負荷されて多段積み工本体の安定を損なうことになります。従って,原則的には,「根固工は基礎工又はのり留工の前面にそれらと絶縁して設けるものであり,」とされているのです。(旧建設省河川砂防技術基準(案)設計編〔T〕 P11)
また,「鉄線籠型多段積護岸工法」(建設省防災・海岸課編集 P18)においても,「並列式の場合は,多段積構造本体に影響を与えないために,前面のかごは護岸本体と連結を避け,分離して設けるものとする。」と示しています。