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工法のQ&A
Q.27 協会の粗面メッキ鉄線のメッキの成分には,滑面メッキ鉄線の亜鉛+アルミ合金ではなく,マグネシウムを加えた亜鉛+アルミ+マグネシウム合金を使用している理由を説明して下さい。
「亜鉛+アルミ合金メッキ」は,硬度が低くく(Hv < 60)軟らかいメッキなので,河川での流砂等による摩耗作用に対しては,粗面部が短期に摩耗してしまい,粗面性(滑りにくさ)を長期(30年)に維持することが困難なのです。そこで,メッキ成分にマグネシウムを加えることによって,メッキの硬度を強化(Hv > 120)した「亜鉛+アルミ+マグネシウム合金メッキ」を使用したのです。
【解説】
粗面部の摩擦抵抗(滑りにくさ)を30 年間という長期維持(基準 P24)するためには,河川の流砂等による「摩耗作用」に耐えるメッキ成分が必要となります。粗面部(凹凸部)の耐摩耗性を強化するためには,できるだけ硬いメッキ(Hv > 120)が必要となります。本協会では,「メッキの硬さと摩耗量」との関係を検証した結果,「Hv > 120」という硬度を有する「亜鉛+アルミ+マグネシウム合金メッキ」を採用したのです。(下図)
公的試験機関での評価も得ています。(初期摩耗後f > 0.9)更に,「亜鉛(87%)+アルミ(11%)+マグネシウム(2%)合金・付着量220g/u」という硬いメッキの粗面加工には,噴霧式の特殊加工法を開発したことにより,更に安定した粗面形態を実現することができたのです。協会の粗面メッキ鉄線は,平成12 年に開発され,全国的にも多くの実績を重ね高い評価を得ています。(41)粗面性(滑りにくさ)に対する公的な評価実験は,平成16 年に,国交省による「すべり難さの体感比較実験」が筑波市内で公開で行われ,「協会の粗面メッキ鉄線」(B)の体 感評価値(3.6)は,他の鉄線(2.3 以下)の1.6 倍以上であることがわかり,高い評価を得ています。(下図)この「すべり難さの体感比較実験」の成果は,現技術基準でも評価資料として使用されています。(基準 P24)(基準 参P16)すなわち,「粗面性の基準値は,体感による評価値(3.0)である」と明示されています。そして,体感評価値と摩擦係数数値との相関実験から,体感評価値(3.0)に相当する摩擦係数値(0.9)が「実務上の基準値」となっているのです。