かごマット工法技術推進協会
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工法のQ&A

Q.40 多段積み護岸の基礎部を「突込み式」と「並列式」とに分けているのはなぜですか。

基本的工法としては「突込み式」ですが,施工性や経済性等から「並列式」も多く使用されています。


【解説】

多段積み構造の設計計算(力学,水理学)は,工事完成時の形態で行うのではありません。設置後に洪水等によって護岸前面が洗掘されて,護岸が大きく変形した形態を予測して行われるのです。
すなわち,「予想した洗掘が起こっても,構造の機能は確保されていなければならない。」ということが前提となっているからです。
そのために「突込み式」においては,基礎の位置は「予想洗掘深」よりあらかじめ深く設定します。一方「並列式」においては,基礎の位置は「現河床高付近」とし,根固工(A)を前面に設置します。

「鉄線籠型多段積護岸工法」(建設省防災・海岸課編集 P18)では「突込み式」基礎の根入れは,一般的に計画河床または現況河床のいずれか低いものより0.5〜1.5m 程度埋め込むものとする,と示しています。

両形式の使い分けは,原則的には「突込み式」を採用するするといわれていますが,施工時の水位が高い場所では,次図のように仮締切が必要となって工費や工期等が嵩む場合が多いので,「並列式」が多く用いられています。