かごマット工法技術推進協会
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海岸護岸用かごマットのKD値 6.2(50cm厚)、8.6(1m厚)、
反射率 0.185〜0.286

1.模型実験

当協会では、海岸保全構造物として使用されているかごマットの設計仕様をより明確にするために、安定係数として使われているハドソン式のKD値を実験により求めた。
実験は、東海大学海洋学部に委託し、2014年12月25日その結果の報告を受けた。
実験用模型かごは、1/50として協会会員会社で製作した。
実験ケースは、護岸勾配1:3の平張りタイプ かご厚50cm(Aタイプ)及び1m(Bタイプ)のほか、参考として多段積タイプでかご厚1m(Cタイプ)の3ケースを行った。
模型実験は、実験断面(図-3)により、堤体に作用させる波高を変えてかごマット模型の被災状況を観測し、被災率からKD値を求めた。

図-3 実験断面図

図-3 実験断面図

2.KD

模型実験による被災率から求めた、海岸用かごマットのKD値は以下の通りである。
一般的に使用する平張りタイプのかごマット厚さ50cmのKD値は6.2(周期 2.2s)
かごマット厚さ1mのKD値は8.6(周期 2.2s)である。

なお、「多段積タイプ」では、平張り両タイプ“厚さ50cmと1m”の波浪条件下では、被災を受けなかったので、平張りタイプより大きなKD値が期待される。

3.反射率

反射率は、二点間法による測定法に従い、容量式波高計とパソコンを接続して読み取り計算した。
実験の結果、反射率は0.185〜0.286であり、かごマットは反射率が小さいという特徴が確認された。空隙率の大きさが特徴のかごマットは、波力の吸収効果や反射波の低減効果、洗掘対策などに効果が期待できる結果となった。

4.かご網は被覆鉄線使用

海岸護岸に使用するかごマットかご網には、「亜鉛+アルミ合金メッキ鉄線」(心線)にポリエチレン系樹脂を被覆した被覆鉄線を使用している。